愛しかた
「俺が今口説いたら優星どうする?」
「きっと避けるでしょうね」

嫌な顔は見せず、平然を装って答えたその答えにも浅野さんは豪快に笑う。

「本当、綺星とは似てないな」
「まさか綺星ちゃんにも同じことを?」
「綺星の場合は、・・・逆かな」

逆?・・・嘘でしょ!綺星ちゃん!
どんだけ見境いないの!

「まぁ自覚があったかは知らないけど」
「ありませんよ」
「そうなんだ?」

嘘。絶対あったんだろうな。
しかも浅野さん、絶対気づいてるじゃん!

ごめんね綺星ちゃん!と思いながら「・・・多分ですけど」と苦し紛れに付け足した。

上から戻って来たエレベーターに二人で乗り込む。

「じゃぁさ、俺を避けるって言ったのはどうして?男に困ってない?それとも、」
「・・・」
「京真と関係持ってるから、とか?」
「・・・はい?」
< 26 / 54 >

この作品をシェア

pagetop