愛しかた
「浅野さんがご存知かはわかりませんが、京真さんは綺星ちゃんに特別な想いを持ってないように思います。なのに結婚しようとしてる。そんな人の友人を警戒するのは・・・当然では?」
「・・・成る程。で?増えてしまった理由は?」

実はもうわかってるんじゃないの?!
この人。

「浅野さんが本気だったかどうかは知りませんが、」

この話を引き出す口実だったのかと思うと、うまく踊らされてる感が癪にくる。

「友人と関係を持ってるなんて思いながらその当事者を口説こうとする人になんて、警戒心しか生まれませんよ」

そこで又笑いながら「確かにそうだ」と同意をした。

天上から吊るされた大きなパネルが並ぶ周りをゆったり時間をかけて一周すると、浅野さんは何も言わずそのままホールを出て、金縁のボタンを押した。

折角来たのに全く楽しめなかったなと少し残念に思いながらまた来れば良いかと開き直る。
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