愛しかた
ホテルに着いて一人そのまま地下駐車場からエレベーターに乗る。

カードをかざして入った部屋はいつもと変わらないダークブラウンを基調としたシックでラグジュアリーな部屋。

その中、バスローブ姿でベッドに横になっている人物。

小さな寝息を立てるその無防備な寝顔はどの女性が見ても感極まるに違いない。

きっと綺星ちゃんも。

「ん、俺寝てた?いつ来たの?」

そのまま大人しく寝といてくれればいいのに。

「今。疲れてるんじゃないの?」
「うたた寝なんて、誰でもするでしょ」
「まぁね」

ベッドに腰を下ろせばすかさず背後から腕が回る。

逞しい腕で、長い指で私を絡め取るかのよう。

「明日から出張なんだ」
「ふーん?」
「相変わらず冷たいね」

くだらない。

これ以上無駄な会話をするのが嫌で、後ろを振り向いて首筋に唇を落としながら押し倒した。
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