愛しかた
毎度の事ながら、さぁ夢の中へと言う絶妙なタイミングで邪魔者が訪れる。

「平気?」
「あぁ」

その声色と内容に食事会が上手くいったんだとわかると、心の中が一気に晴れたと言うか、不安が消え去ったと言うか。

もうこのまますぐにでも結婚してくれと思ってしまう。

だけど、新たな人物の登場のおかげで安寧な日は遠ざかったような気分だ。

「髪、サクがした?」
「今日はね。どうして?」
「いつもより艶がある」
「・・・」

どうせ雑なブローしか出来ませんよ私は。

一糸纏わぬ身体を冷たい手が這う。冷たさからか手つきからか身体の反応は早かった。

「食事会、どうだった?」
「・・・」

会話が良いという意思表示が通じたのか、腿を上る手は止まり、ゆっくりそこを撫でられる。
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