愛しかた
「普通。キスを拒まれていたけどな」

・・・何それ?

「貴方の前で?!」
「違うぞ。家の中だからとかなんとか言われていた」

そんな事あったのに、この人は今日何もされなかったの?

「明日の夜の約束をしていたから、機嫌は良かった」

私の心を読み取ったのか、そんな説明までしてくれた。

続けて会うってことは、なんだかんだ順調で。
もしかすれば、私の不安は杞憂で終わるかもしれない。

「サクとは一緒に風呂入ったのに、俺とはシてくれないの?」

かなりの語弊がありますけど、その台詞。
浴室には入ったけどお風呂なんて一緒に入ってないのに。

「貴方も髪洗ってくれるの?」
「身体なら洗う。こうして、丁寧に」
「っ、ちょっ、」

それは丁寧と言うよりは官能的な指の動きで。
さっきまでは無かったはずなの熱いナニカが身体を駆け巡っていく。
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