愛しかた
呆れたような顔をしつつ、今から綺星さんの婚約話を振りますって宣言するほうが可笑しいだろと言う。
「そういう意味じゃなけんですけど!?」
「わかってるよ。いやもうかなり有名な話だから」
「そうなの!?」
「俺のネットワークの中ではな」
「・・・」
付き合ってた頃、浩典が教えてくれていた。
金持ち軍団のネットワークというのはかなり精密らしく、特にメンズに関しては、明け透けと女の話が混じるから『えぐい』のだと。
そんなゴシップネタに綺星ちゃんの名前が入っているのは当時から珍しくなかった。
「婚約から結婚に進まないのは出津さんが乗り気じゃないとか、綺星さんがもっと上物を探しているとか、色々噂になってるよ」
「・・・なんだか真実味があるわね。恐るべしゴシップ」
初めはそんな女の話に食いつく男どもに軽蔑した。勿論、付き合っていた彼氏がゴシップネタを持ち帰ってくるなんてと、落胆した部分もあった。だけど事情というものがあるらしい。
自分たちがハイエナ令嬢達の餌食にされない為の情けない事情というものが。
「そういう意味じゃなけんですけど!?」
「わかってるよ。いやもうかなり有名な話だから」
「そうなの!?」
「俺のネットワークの中ではな」
「・・・」
付き合ってた頃、浩典が教えてくれていた。
金持ち軍団のネットワークというのはかなり精密らしく、特にメンズに関しては、明け透けと女の話が混じるから『えぐい』のだと。
そんなゴシップネタに綺星ちゃんの名前が入っているのは当時から珍しくなかった。
「婚約から結婚に進まないのは出津さんが乗り気じゃないとか、綺星さんがもっと上物を探しているとか、色々噂になってるよ」
「・・・なんだか真実味があるわね。恐るべしゴシップ」
初めはそんな女の話に食いつく男どもに軽蔑した。勿論、付き合っていた彼氏がゴシップネタを持ち帰ってくるなんてと、落胆した部分もあった。だけど事情というものがあるらしい。
自分たちがハイエナ令嬢達の餌食にされない為の情けない事情というものが。