愛しかた
お酒が進み、だんだんと皆が饒舌になってきた。

「俊平の舌は少し幼稚なんだよ」
「そうなんですか?」

それでも多分この中で一番お酒に強い浩典はあまり変わらず、適当に笑い、適当に話を合わせている。

「そうだよ。味の濃いものが好きなんだよ。和食とか食べないだろ?」
「食べるって」

二人の会話に綺星ちゃんが愉しそうに笑う。
綺星ちゃんはちょっと飲みすぎではないだろうか。大丈夫かな。

「性格もだよ。好き放題続けてたら、会社潰れるぞ」
「縁起悪いからやめてくれ」
「この前ぼやいてたぞ。誰も社長に頭上がらないから何も言えないって。締めるところは締めないと」
「はいはい。わかってますよ」

この二人、結構仲いいんだ。

「ご兄弟みたいですね」
「うわ、浩典君までそれ言うか」

浅野さんが言うと、京真さんが苦笑を浮かべる。

「よく言われてるのよ」

綺星ちゃんが笑いながら言うと、

「その台詞は聞き飽きてる」

浅野さんが面白くなさそうに言う。



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