愛しかた
「何故か俊平には皆甘いんだよ昔から」
「お二人は長い付き合いなんですか?」
「小学生からだよ」
「それは長いですね!」

そうなんだ。
幼馴染ってことか。そりゃまぁ仲も良いはずだ。

「そうそう。こいつは昔から口うるさかったよ」

想像できるなと笑いたい気持ちを抑え、ワインが苦手な私の為に用意されたシャンパンを口に流し込む。

「今覚えば、俊平が俺を口うるさい人間に仕立てたんだろうな」

その台詞に綺星ちゃんも浩典も可笑しそうに笑う。
綺星ちゃんが次のグラスを持つ手を京真さんがそっと止めた。

「綺星、楽しいのはわかるけどちょっと飲み過ぎだよ」
「そ、そうかな」
「ただ単に酔った綺星を誰にも見せたくないんだろう」

浅野さん、なんて良い台詞を。

「そうなの?嬉しい」
「まったく。悪いけど、先出るよ」

京真さんが言いながら席を立ち、綺星ちゃんを立たせてから腕を優しく自分の腕に絡ませる。

浩典が二人を送ると言い、京真さんも綺星ちゃんも軽い挨拶だけして会場を後にした。
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