愛しかた
「優星ちゃん、おはよう」
「おはよう。パパもママも」
「えぇ、おはよ。元気そうね」

久しぶりに四人揃う食卓。
お兄ちゃんもいれば最高なんだけど、それは叶わない。

自慢の兄は遠い異国の地で武者修行に出ている。パパの後継という立派な武者になる為に。

「綺星、京真君とは順調か?」
「勿論よ。今日から出張で暫く会えないの」
「そうか、そうか」

寂しそうな綺星ちゃんの声色に、嬉しそうなパパの声色。
ママがいきなり「そうだわ」と声を上げる。

食事では音を立てるなと私達を教育してきたのは一体どこの誰だと尋ねてやりたい。

「今度、家にご招待したら?たまにはみんなで食事でも摂りましょうよ」
「名案だわ。帰ってきらた聞いてみる」
「そうだな」

一気に吐きたくなるため息。

だけどここでも吐けない。

重い重いため息を朝食のパンとともに飲みこんだ。

喉に引っかかるのをスープで無理矢理流し込む。
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