愛しかた
メールが少なかったのか、電話が無かったのか、兎も角酷い荒れ方をしたことは明白で。

もしもあの時声を掛けていたら少しは違かったのだろうか。優しくしてあげてねと一言添えたら、こんな風にはならなかったのだろうか。

「終わった」
「ん」

ごめんなさい。
こんな目に合わせて、ごめんなさい。

そう言えたら、どんなに楽になるだろう。

だけど、楽になる資格なんてない。


こうも傷が多く酷いときは、昨日みたいに身体を求められることはあまり無く。小さな子供が母親に縋り付く様に私の身体をきつく抱きしめ、静穏な時間を過ごす。

静寂な空間はちゃんと貴方を癒せているだろうか。
昔は私の心音に包まれると落ち着くと言っていたけど、今もそうだろうか。

痛んだ身体と心を休められているだろうか。

もう限界なのではないだろうか。

痛いとも、辛いとも、言わず。平気とも、大丈夫とも、言わない貴方を私は守りたい。
< 9 / 54 >

この作品をシェア

pagetop