【完】触れたいのはキミの鼓動
そうすると、須賀が徐にこう口を開いた。
「ねぇ?小桜はさ、石井ちゃんのこと、好きなの?」
その言葉の意味を頭の中で理解するまでに数秒掛かる。
突拍子もない質問に、私は全力で「はぁあ?!」と大きな声を上げてしまった。
「なんで、そうなんのよ?てか、会話が全然成立してない!」
「好きなの?嫌いなの?…どっち?」
しつこい須賀に少しだけイラッとしてしまう。
こいつは私の事をなんだと思っているのか。
「なんで、そんな事聞くわけ?それで、あんたになんのメリットがあんのよ?」
「小桜が好きだから…敵は一人でも減らしときたい」
「あーそうですかー…って?!な、ななな?なんなの?!あんたは!」
あまりにもサラリと凄い事を言われて、私はたじろいだ。
だけど、こいつときたら、ケロリとした顔で続ける。
「オレ?オレはオレだよ?小桜を好きなただの男子です」
にっこりと微笑まれて、また頭がズキズキとしてきた。