【完】触れたいのはキミの鼓動
隣の席になって舞い上がっているのは俺の方。
彼女は入学当時から何かと新任の石井ちゃんにべったりで、それがなんでこんなにもオレをイライラさせるのか、いまいち納得がいかなかった、けど。

これだけは、確か。

石井ちゃんは…小桜の事、生徒の一人だなんて思ってないよ?
普通に、「女の子」として扱ってる。


それなのに、鈍感なキミは気付かない。
あんなに大胆にアピールしてるっていうのに。


『神谷を傷付けんじゃねーぞ』


自分の取り巻きに凄んだ所を目撃した時、…このままじゃ、負けるって思ったんだ。


でも、負ける訳にはいかない。
オレだって、…オレだって、小桜のことが好きだから。


あぁ、そうか。
好きだから、石井ちゃんに取られたくないから、こんなにもイライラするんだ…。
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