【完】触れたいのはキミの鼓動
「…分かった!あんた、ペンケースの中、一回きちんと断捨離しな!じゃないともう二度とノート貸してあげないから!」
それにほんの少し不満気な声を上げる須賀。
「え__…?でも…」
「でも、じゃないの!ほら、さっさとする!」
「はーい…」
そう言って、ふんわりとした猫っ毛の髪をかき上げて、長めの前髪から現れる茶色掛かったこの瞳が、私は好きだと思うんだけれど。
どうしても、捉えどころがなくて、不安になる。
だって…。
「ほんっとに、分かってんの?」
「うん。小桜はほんとに可愛いよね…」
この通り、会話がどこかズレてしまうから。
「はぁ。だめだ、こりゃ」
「なんで、そんなに脱力?」
「…あんたのせいでしょーが!」
「…そうなの?」
「そーなの!」