【完】触れたいのはキミの鼓動
「あれ?須賀はまだ帰んないの?」

「え?…あ、うーん」


突然声を掛けられて、ハッとする。
小桜は、そんなオレを不思議そうに小首を傾げて覗き込んでくる。


「あの…えーと…」

「ん…?」


一緒に帰りたい、なんて言葉が言い出せるはずもなくて、オレはしどろもどろになった。
すると、そこに。


「未来~!一緒に帰ろ~?」


といつも子達が寄ってきた。
その様子を見てた小桜は、スッとオレの傍を離れて、


「じゃ、バイバイ、須賀」



なんてくるりと背中を向けて行ってしまった。



冷たいなぁ…。


そう思ってくったりと机に突っ伏すと、腕にすがり付いて来る子達。
そんなに胸を押し付けられても、今のオレの傷は癒えないんだけど…。

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