【完】触れたいのはキミの鼓動
なんでなのかは分からねぇ。
確かに魅力的ではあるけど、別に顔とか体が目当てって訳でもない。
大体、そんなに女に不自由したことなんかないしな。
だけど、俺の取り巻きに対しても真っ直ぐで。
「石井ちゃんは石井ちゃんじゃん。贔屓なんてするはずないの、好きなら分かるでしょ!」
なんて言われちゃあ、俺だって悪い気はしねぇ。
「神谷ー」
「石井ちゃん?!なになにー?」
と、なんだかんだと慕って寄ってくんのもなんか、ぞわぞわして堪らなくて。
けど、本人は本気で分かっちゃいないが、学園内の隠れマドンナとか言われてる神谷…。