【完】触れたいのはキミの鼓動
それなのに。
それなのに!!
こいつときたら、あれよあれよと言う間に学園1のモテ男に成長してしまい…。
「ね~ぇ?みらい~。今日はさ、あたしと遊ぼうよ~」
なんて、ほら。
いつも、いつもこんな風に女子の取り巻きがいて、非常にムカつくんです。
しかもそのレベルの高さに余計に腹が立つというか…。
「あーあ。もう、なんでこんなにいっぱいペンなんか持ってんだか。授業受けんのに、こんなに必要なくない?ほんと女子か…」
「あ、それ、ダメ」
「え?なに?」
「そのペン、ダメ」
スッと嫉妬しそうになるくらい長くてキレイな指で、私からそのペンを取ると、少しだけ数の減ったペンケースの中に静かに仕舞い込んでしまう。
「…思い出の品かなんか?」
「ん__…そんなトコ、かな?」
軽く言葉を濁した須賀に少しだけ訝しげな視線を投げるも、それに対しての反応は何もなくて。
私もそれ以上は深追いしなかった。