【完】触れたいのはキミの鼓動
「くくっ。ほんと、可愛いのな、お前」
「もーー!からかわないでよー!」
「皆、からかってなんかねぇよ」
「え…?」
言葉の真意が見えなくて、マジマジと石井ちゃんの顔を見つめるけど。
「いんや。なんでもねぇ。じゃ、そういうことだで、お前はいつも通りピーピー騒いでな」
「石井ちゃんてば、意地悪だ!!」
「あぁ?んなこたねぇだろ?こーんなにいい男いねぇぜ?」
石井ちゃんの笑顔はいつも自信に満ちている。
私はそういう石井ちゃんが大好きだと思う。
「ねぇー?それ、自分で言うー?」
「ははっ。ま、いーじゃねぇの。…お。そろそろ授業始まんぞ。席着いとけ。じゃあな」
「うん…」