【完】触れたいのはキミの鼓動

そんな石井ちゃんは、何かと私を捕まえては構ってくる。
多分、私の事を構う事で、何かしらのストレス発散にはなっているんだろうけど。
少し硬めの真っ黒い短髪に、目鼻立ちのはっきりした…どこかのロックバンドのヴォーカルにいそうな甘いマスク…。
センスのいい服装に、甘くて低いトーンボイス。
こんな人に気に入られて、嫉妬されない方がおかしな話で。
いつも石井ちゃんのファンから嫌がらせを受けたりしてたけど。
その度に、石井ちゃんが颯爽と現れては、


『神谷の事で言いたい事があるなら、俺に言え、俺が全部聞いてやる。コソコソすんな。神谷に何かしたいんなら、俺の許可取っ手からにしろよ?』


なんて、格好いい事をズバッと言ってくれちゃってから、嫌がらせは殆どなくなった。


…石井ちゃん、凄むと迫力あるからなぁ。

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