【完】触れたいのはキミの鼓動
そんな事を思っていたら、石井ちゃんが私の後ろの方に視線を投げてボソッと呟いた。
「おっかねぇな…」
「は…?」
「なんでもねぇよ」
「もー!石井ちゃん重い!肩に乗っかんないでってば!」
「理由が分かんねぇ、バカにお仕置きしてんだろうが。ったく、お前はほんっとにピーピーうるせぇな。…じゃあ、ヒントだ。お前今3年だよな?」
「え?そうだよ?石井ちゃんと一緒じゃん」
「先生と呼べ先生と…で、今は何月だ?」
「え?えーと…」
石井ちゃんの唐突な質問に私はしどろもどろになる。
そんな私に、石井ちゃんは盛大に溜息をついた。
「はぁ。ほんとバカか。もう、進路の事いい加減考えろって、毎日言ってんだろーが。お前だけなんだよ。ちゃんとした進路出してねぇの」
「あ!そうだった!」
「…ふー。どうーすっかねぇ。この木魚女は」
ぽかぽか
「もーやだ。石井ちゃんの意地悪!そんなに何回も叩かれたら、バカになるじゃん!」
「はぁ?お前はそれ以上バカになりようがねぇよ」
「むー!!」