【完】触れたいのはキミの鼓動

ふんわりと微笑む須賀の顔を見て、今まで自分がどれだけ一人よがりのヤキモチを妬いていたのかと思うと恥ずかしくなってくる。


「そっか…」

「で。小桜は石井ちゃんと、どうなの?」

「ちょっとだけ付き合うような形になっちゃったけど…この前ちゃんと断わったよって…うわ」

「よかった…もう石井ちゃんのものになっちゃったのかと思ってた。二人ともべったりだし。石井ちゃんは何かと小桜に対してスキンシップ激しいし」

「そ、そんなこと…」

「あるよ」

「ないって…」

「あるんだよ」


ぎゅううっと隣の席から横抱きされて、何も言えなくなる。
何時の間にか、こんなにも逞しい胸に、腕になっていたんだろう?
一年の頃には分からなかった。
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