星空シンデレラ

と、私が困って辺りを見回した時だった。
バキッ!と嫌な音がしてそちらを見ると、長い黒髪を二つに結んだ、美人な女の子の足元にある何かが、ストレートの黒髪の、気弱そうな女の子によって踏んづけられていた。

「…ちょっと。殺されたいの?」

「ご、ごめんなさぁい!」

「まーまーまーまー、英理(えり)ちゃん!そんなに怒らないで!僕たちも直すの手伝うから!」

ストレートの女の子は、二つ結びの子に向かってひたすらペコペコ頭を下げている。どうやら劇の小道具を踏んでしまったようだった。

「あんた、裏方でしょ。役者を輝かせる準備をするのが仕事でしょ。それを邪魔するってどうなってんの?」

「ごっ、ごめんなさぁい!トイレに行こうとして、足元見てなくて…!」

「直すの、あたしなんだからね。せめてあたしより衣装作りも小物作りもできるようになってからドジやりなさいよ」

「す、すみませぇん…!」
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