星空シンデレラ
私の父さんと母さんは、二人ともカメラマンだった。それも戦場カメラマン。
そもそも二人の出会いも、撮影に赴いた異国の地だったらしいし…二人の仕事柄仕方なく、私は昔からおばあちゃんやら隆彦おじさんのところやらに預けられることが多かった。

だから、家に帰っても誰もいないなんてことには慣れてる。両親と長い間会えないのにも慣れている。
だったけど…。



今回は、話が別だった。二人が滞在していたところで戦争がさらに大きくなったらしく、ある日を境に連絡が取れなくなってしまったのだ。
「すぐに帰ってくるよ」と、立花家の人たちは私を勇気付けてくれたけど、おばあちゃん達は泣いていたし、私の親権がどこに行くのかなんてことを話し合っていた。

そんな様子を影から見ていれば、わかる。おばあちゃん達の中で、母さんと父さんはもう…帰らぬ人になっているのだ。
だから、私を心配してくれているのだとわかっても、おばあちゃん達や知り合いに優しくされても全然嬉しくなかった。むしろその気遣いを突っぱねたくすらなった。
でも、そんな私を隆彦おじさんたちは否定したりしなかった。
ただ「二人が帰って来るまで、うちに来るかい」と声をかけてくれた。
おばあちゃん達と顔を合わせるのが嫌になった私は、申し訳なさを少し感じつつも、二つ返事でその提案を受け入れた。
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