星空シンデレラ
ダイニングに行って少しすると、遼夏が「さらちゃん いらっしゃい」と書かれたオムライスを持ってきてくれた。
おばさんが書いてくれたんだろう。

「食べれる？もっと口にしやすいものがよかったら作るけど…」

「だ、大丈夫大丈夫。そんなに心配しないでよ、私なら元気そのものだから」

…自分で言ってて、笑える。虚しすぎておかしくて、一周回って涙まで出てきそうになった。けど、遼夏がほんとに心配してくれているから…我慢だ。解決策もないことで、人に寄り掛りたくない。

「いただきます」

「俺もいただきまーす」

向かい側の席では、遼夏がデザートらしき大きめなゼリーを食べようとしていた。
…遼夏を待たせている手前、私が焦って食べたりしないように、気を遣ってくれているのかな。実際、オムライスを食べた後だとしても、大分食べるのがゆっくりだし。
私の考え過ぎかもしれないけど、遼夏は昔からそういう人だった。
能天気に見えて、誰より気遣いができるような…男の子にしては珍しいと思う。だからこそ私は、遼夏に安心感を覚えているのかも。
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