星空シンデレラ
新天地
私が立花家へ来てから、一週間が経った。もうそろそろ春休みも終わる…けれど、私はほぼ自分の部屋に引きこもっていた。遼夏に誘われて二人でご飯を食べたり、遼夏がひょっこり部屋に遊びにくるくらいだ。
今日も、遼夏が朝早く部活に出かけてしまってからは、新しい部屋の隅で丸くなってボーッとしていた。
人と話すのは億劫だったし、一人で何かをするのも怖かった。
やがてお昼頃になると、ガチャンと鍵を開ける音がして、しばらく一階をバタバタ駆け回る音がして、次にドタドタ階段を登り、私の部屋まで走ってくる音がする。間違いなく遼夏の足音だった。
「さーらぁ!たっだいまー!」
「おかえり。…なんか機嫌いいね?」
「あ、わかる?さすが妹だな!実はさ、今日の部活めっちゃ調子良かったんだよな!鬼監督にも褒められた!」
「よかったね、おめでとう。演劇部だっけ?」
「そうそう!その鬼監督と裏方のメンバー以外は、はみーんな野郎なんだぜ?おかげで舞台が暑苦しくて仕方ないよ…」
演劇部。
どうやら遼夏はその活動を本当に大切にしているようで、毎日部活に行くのはもちろん、家でも私と遊ぶ以外の時間のほとんどを自己練習に費やしていた。