ただ、ありがとう
なんて言っている間に腕時計の針はギリギリを指していた。
「やばいやばい!」
鍛え上げられた足で思いっ切りペダルを漕ぐ。
タイヤは勢いよく回り、シャーシャーと音がなる。
あぁーー 風が気持ちいい。
夏だからといって全てが暑いわけじゃない。
顔や腕、足にかかる風は私の汗を乾かすかのように勢いがある。
「あ!夏海!」
「未来! いつもより遅いじゃん!」
「寝坊した。 他の人らにほってかれたわ」
はははっと笑いながら少し長い髪をなびかせる未来。(みく)
私は高く髪を結んでいる。
ポニーテールってやつかな。