秘密の恋 〜社長に恋して〜
彼女に飲み物をと作ってもらったカクテルを一気に飲み干す瑞穂を見て、俺は内心焦っていた。

こんな格好をして、どうしてこんなところで男をあさるような事をしている?
男に振られた?
その不安が過り、

「いい飲みっぷりだね?何かあったの?」
平静を装って言った俺に、瑞穂は「ちょっと」とだけ答えた。

なんだよちょっとって。

俺の事好きじゃなかったのかよ!

苛立ちと、焦りが俺を襲った。

酒に酔ってきたのか、トロンとして俺を見上げる瑞穂に、理性を必死に保つのがやっとだった。

そろそろ帰らせないとまずいな。
そう思っていると、

「お願い。もう少し一緒にいて……」
ギュッと俺の腕に自分の腕を絡めて瑞穂は言葉を発した。

好きな女に言われるその言葉は破壊力がありすぎて、抱く気はなくてもこんな瑞穂をもっと見たくて。
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