ColorLess
薄幸少女
――。

あれからどれくらいの時間が経過したのだろうか。
目が覚めると全く見覚えのない景色に包まれていた。
この場所は何処なのか。
今は何時か。
私はどうやってここに来たのか。
わかっていることと言えば、ここは屋外ではなく屋内。
そして私はベッドの上。
額には大きめのガーゼがあてがわれている。
先程まで着ていたびしょびしょに濡れていた服はどこへ、私は身に覚えのない大きめのパーカーを着ていた。

家具がそれなりに揃った生活感溢れる部屋。
アパートかマンションの一室といったところだろうか。
若干の狭さはあるが、 1人が生活する分には十分なスペースが確保されている。
窓から差し込む光から、今は日中かと知る。


「あ、起きた?」


部屋のドアがガチャ、と音を立てて開き、部屋の主が姿を現した。
それは1人の男性。
背は高い、そして整った顔立ち。
年齢は20代くらいだろうか?
色々と聞きたいことがあったが、何から話せば良いのかわからない。


「道のど真ん中で倒れてたから連れてきた。具合はどう?」


その言葉でこの男性がここまで連れてきてくれたのだと知る。
ご丁寧に怪我の手当て、着替えまで。
きっと良い人なのだろう。
見ず知らずの私にこんなに優しく笑いかけることができるのだから。
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