【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
覚える気のない、女たち。
目障りだ。
早く、消えてくれないだろうか。
表には出さず、そんな感じで、談笑を続けていると、女たちの一人が食事をしていた女にぶつかった。
ぶつかられた力が強かったせいか、女はふらつき、転びそうになる。
手をさしのべようと思ったが、女たちに囲まれてそれどころではなく、本当に女は面倒くさく、自分の欲に忠実で、汚い生き物であると思った。
そして、完全にバランスを崩した女を支えたのは、側にいた女だった。
その女はチラリ、と、相馬を見ると、シャンパンを手にこちらに近づいてきて……
どうせ、ブランド目当てだと思った。
相手にするのが面倒くさいので、無視しようとしたら。
パシャっ…
――…次の瞬間には、相馬の髪から滴が滴り落ちていた。
「こんなところで、ハーレム作んな。このスケコマシ」
こんな最悪な、なんの物語性もない出逢い。
それが、俺と沙耶の出会いだった。