【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「えーと、スケコマシ……じゃなかった、相馬、だっけ?ねぇ、あんた、女は選んだ方がいいよ?」
「あ?」
その言うと、彼はこちらを睨んできた。
薫並みの殺人的眼光だが…そういえば、彼の家である御園家は、薫の世界と沙耶の世界の狭間に立つ家だったと今更ながらに思い出す。
「あの女の人たち、ぶつかって何も言わなかった…ううん、逆に真姫を鼻で嘲笑った」
男に惚けて、人にぶつかっておきながら、謝りもせず、そこに存在するのが間違いとでも言うような態度。
それを引き起こしている男が気づいていながら、止めなかったことに腹が立った。