【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「沙耶~!おはよっ!!」
「…柚香?」
教室に上がると、沢山のプリントを抱えた幼なじみに出くわした。
「…何、やってんの?」
とりあえず、プリントを半分受け取る。
「お、サンキュー!いやー、先生がさ、あれも、これもって積み重ねていくうちに、こんな量になっちゃって…沙耶がいてくれて、助かった!」
ショートの黒髪を靡かせて、ニカッと笑うのは、沙耶とは正反対にこの学校で男女ともに人気のある、沙耶の幼なじみで、この学校の生徒会長の月島柚香。
「本当、なんでも任されるね…で?これから、どこ行くの?手伝う」
お人好しな彼女はよく先生たちにお仕事を任される。
任されたからにはと、真面目に且完璧にするからまた、任される。
そんなことの繰り返し。
「マジ!?助かるー」
「本当、断ればいいのに…大体、学校紹介って…」
一番上のプリントを見ながら、呟く。