【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
生命の巫女
■相馬side□
遠い、遠い、昔の記憶―…
「草志!」
質素な服。
長い髪はひとつに纏め上げ、団子になっていて。
頬にまで泥をつけて、全体的に泥だらけの彼女は、俺の名を呼んだ。
「どうした?」
「あのね、これ見て!」
彼女が手を開いて見せたのは、小さな花の種。
「また、今年も春が来るね」
冬の寒さが薄まる時期。
夕蘭の笑顔が俺にとっての暖かな日だまりだった。
遠い、遠い、昔の記憶―…
「草志!」
質素な服。
長い髪はひとつに纏め上げ、団子になっていて。
頬にまで泥をつけて、全体的に泥だらけの彼女は、俺の名を呼んだ。
「どうした?」
「あのね、これ見て!」
彼女が手を開いて見せたのは、小さな花の種。
「また、今年も春が来るね」
冬の寒さが薄まる時期。
夕蘭の笑顔が俺にとっての暖かな日だまりだった。