【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「……おはようさん!起きとうか?」
アポなしで、姉が飛び込んできた。
思わず、むせる。
「なんや、大丈夫か?」
咳き込む俺をみて、キョトンとした姉は封筒を突きつけてきた。
「……っ、いきなり、なんだよ」
痛い。
どうやら、水が気管に入ったらしい。
「姉さん、いつも言ってるけどよ……アポ入れてから来い……」
「は?何で、うちがそなめんどくさいことをせなあかんの?別にあんたが女を連れこんどっても、なんも言わへんから、ええやろ、べつに」
確かに、家に女は連れ込まないが。
頼まれても、連れてこない。
誰が自分から、私生活を侵害させるかよ。
……って、そういう問題ではないだろう。