【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1


「……お前、本当にお嬢様か?」


「んー?一応」


沙耶は間違いなく、黒橋グループのお嬢様のはずだ。


兄が一人と、もう一人義理の兄がおり、その二人に愛されながら、大きくなった女。


父親の仕事の手腕は素晴らしいもので、母親は慎ましく、美人だった。


沙耶も母親に似た容姿をしているが……性格は明らかに、父親似なのだろう。


「私はどっちかって言うと、お嬢様らしくはないよ。見てわかる通りだけど。大体、お嬢様らしいって何?面倒臭くない?無駄にお金使ってさ、エステとか旅行とか?んなもん、家でゴロゴロしてるほうが楽」


……考え方からして、お嬢様ではない。




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