【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「話せないことなんでしょ?だったら、無理して話さなくて良いよ。そんな、真っ青な顔して話されても、こっちが困るし。……暫く経ってさ、それでも、私に話してくれると言うのなら、覚悟を決めてからで良いよ。そんときは、聞いてあげる」
「……」
……何も、言えなかった。
初めて、この話を俺は自分からしようとした。
相手は、女なのに。
これも、宿命と呼ばれるもののせいか……?
「……お前は、変わらないんだな」
「ふあ?」
饅頭を全部、自分の口に押し込んでいた沙耶は、首をかしげる。
変わらない、夕蘭とどこも。
沙耶が、夕蘭に重なる。