【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「言われてみれば」
「あれじゃね?直樹さんが、また……」
千歳の言葉に夏翠は、顔をおおって。
「ありうる……」
夏翠のお父さんであり、姫宮家の現当主である直樹さんは、娘と妻にアマアマデレデレの人らしい。
だからか、多い時には、一日に一回電話してくるらしく、過保護な父親に夏翠は手を焼いているそう。
「良いじゃん?愛されているってことで……」
そういいかけたとき、耳をつんざくような声が聞こえた。
いや、叫び声。
「おはよー!沙耶!みんな!」
現れたのは、生徒会長の柚香さんと、登校してきたらしい真姫。
そして。
「沙耶!呼んでる!」
まさかのモテ男である。
「お、大地ー」
「光輝は、このクラスなのか?」
「おう!風斗とか、みんな、一緒だ」
「学力、平等じゃないんじゃ……」
ボソリと呟く、闇璃。
その通り。
とか、本当にクラス編成については、色々と言いたいこともやめた方がいいところもわかってる。
が。
今は、四方八方から感じる女子の視線の方が痛い。