【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「……夏翠に教室に来るように頼んだんだがな……」
私を呼んでいたのは、相馬だったらしい。
観察からわかるに、彼は女性が苦手っぽい。
遊ぶのは平気なのにね。
変なやつ。
「へ?あ、もしかして、夏翠が話したかったのはこの事?ごめん、話は途中で脱線したわ」
教室を覗き込めば、手を胸の前で合わしている夏翠が。
「ちょっと、お前を含めて、話がある。柚香と真姫と……夏翠と澪以外、全員だ」
思い面持ちで相馬がそう言うが、私からすれば……
「えー!めんどい!」
女子とか、女子とか、女子とかが。
……呼び出されるの、決定だな。
慣れているが、面倒くさいことである。
「……飯奢るから」
全力で拒否していると、彼はそう言った。
「んじゃ、行く」
それにつられるのが、私である。
美味しいものは大好きだ。
大食いだとよく言われるが、あながち、間違ってはいない。