【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
『沙耶ちゃん、自分のことも描いてね。沙耶ちゃんの大事な家族にプレゼントして……』
先生が、絵を沙耶に返そうとすると。
沙耶はゆるりと、首を横に振って。
『違うんだよ、先生。これでいいの。これが正解なんだよ。私は、大兄ちゃんから、朝陽とアイラを奪ったの。だから、私のお父さんとお母さんをあげるの。これで、大兄ちゃんも寂しくないよね。だから、これが正解なんだよ』
清々しいほどの沙耶の笑顔は、
先生の笑顔を
凍りつかせた。