【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
■相馬side□



全てをすでに知っている、女は良い。


知らない沙耶と真姫、柚香に教えるための今日の集まり。


「もう、遠い、遠い昔の話だ――……」


俺は、静かに目を瞑り、語りだす。


そう、あれは、もう、過去の出来事なのだ。


なのにどうして、こんなにも辛いのだろうか。


わからない、ずっと、願い続けていたのに。


彼女たちが幸せであることを。


なのに、どうして、彼女たちは体が悪く生まれてきたのだろうか。


桜は、眠りについたままなのだろうか。


何もかもが不明瞭ななかで、すべてを、何もかもを持った俺たちは、頭を悩ませる。


そして、戦う。


命を懸けて。


今も、……昔も。


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