【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
幾千年の愛―過去への決別―
□沙耶side■
「――……で、この世界に来たって訳だ」
「はあー」
話したいと言われた話は、とても重くて。
確かに、非現実の話である。
「最後まで、聞いて、思ったことだけど……」
確かに月姫は、悪い子だったのかもしれない。
それでも、みんなに愛されていたのだ。
それで、良いじゃないか。
結果的には、すべてうまくいって……なかったんだっけ?
「……私は、月姫を悪く言えない。だって、単純に正解と思って進んだ道が、間違いだっただけじゃない。その間違いを、間違いとして、正す余裕もくれなかったのは、あんたたちの方でしょう?何百年生きても、女の子は、女の子なの。男に背負いきれるものでも、女には重いのよ」
「……」
「それに、良い子じゃない。自分のせいでもないのに、泣くなんて」
人を喪って、泣く。
当たり前のことかもしれない。
それでも、彼女はそれが当たり前じゃなかった。
見下して当然だった人間を想い、涙する。
素晴らしい、愛の形だ。
そう思うのは、私が異常だからだろうか?
悩んでいると、相馬の笑い声が聞こえた。
「お前は、おんなじことを言うんだな」
「は?」
「……夕蘭と」
彼の顔に、闇が漂う。
「もしかして……それが、あんたの愛した人?」
彼らは、話のなかで“姫”を守護するものだった。
「――……で、この世界に来たって訳だ」
「はあー」
話したいと言われた話は、とても重くて。
確かに、非現実の話である。
「最後まで、聞いて、思ったことだけど……」
確かに月姫は、悪い子だったのかもしれない。
それでも、みんなに愛されていたのだ。
それで、良いじゃないか。
結果的には、すべてうまくいって……なかったんだっけ?
「……私は、月姫を悪く言えない。だって、単純に正解と思って進んだ道が、間違いだっただけじゃない。その間違いを、間違いとして、正す余裕もくれなかったのは、あんたたちの方でしょう?何百年生きても、女の子は、女の子なの。男に背負いきれるものでも、女には重いのよ」
「……」
「それに、良い子じゃない。自分のせいでもないのに、泣くなんて」
人を喪って、泣く。
当たり前のことかもしれない。
それでも、彼女はそれが当たり前じゃなかった。
見下して当然だった人間を想い、涙する。
素晴らしい、愛の形だ。
そう思うのは、私が異常だからだろうか?
悩んでいると、相馬の笑い声が聞こえた。
「お前は、おんなじことを言うんだな」
「は?」
「……夕蘭と」
彼の顔に、闇が漂う。
「もしかして……それが、あんたの愛した人?」
彼らは、話のなかで“姫”を守護するものだった。