【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「ここにいる、俺らは全員、そんな過去を持っている。愛する人間と添い遂げられなかった後悔からか、それとも、“姫”が復活したから、それを守護するためだけに呼ばれたのか……それは、さだかではない」
もう、無視はできない。
これは、非現実の話でも、本当にあったことで、おまけに……彼らは、記憶を持っているのだ。
捨てたいくらいの、苦しい記憶を。
「“姫”も転生していると言ったわね?つまり、それは……」
“姫”……彼女は、誰に転生したのか。
そんなの、沙耶には心当たりが一人しかいない。
「……夏翠、なのよね?」
相馬は静かにうなずく。
「そして、お前らは守護聖だった、俺らに仕えた巫女……俺らが禁忌を犯してまで愛した、女の転生後。この目の色は、普段なら、普通なんだ。けど、巫女と同じ空間にいるときだけ、色が変わる。他にも……巫女を連想させるものは、すべて、俺らの色を変える」
頭が痛くなってきた……。
「……つまり?昔の女の面影を、私らに重ねてるってこと?」
「重なるときもある。ただ、それだけだ」
何がなんだか、本当にさっぱりだ。
「ごめん、紙に書き出しても良い?」
「ああ」
「ありがと」
相馬の了承を貰い、書き出す。