【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「草志?目の色、変わったね」
彼女だけが気づいた、彼女の前だけでの変化。
愛し合うようになり、俺たちは多くのものを見つけた。
夕蘭が、姿を消してしまうまで。
どんなに憎もうとしても、無理だった。
愛していたから。
だったら、いつか、枷なんかない世で、結ばれたいと願いさえもした。
でも、それはあくまで、俺の過去の願い。
今は、場合も状況も違うから。
ならば、自分は生きていようと思う。
せめて、彼女が生きている間は……彼女がずっと、笑っていられるように。