【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1



「――……あなたたちを縛るのは、妾の運命。妾の責任です。ですから、妾を恨みなさい。妾はたくさんのものを犠牲にした。自分の幸せのために」


かつての主は言い切った。


生きていた頃から、優しくて、己の罪をよくご存じであった。


人に恋し、愛し、悲しみ、嘆き、散った姫。


炎樹は溢れそうになる涙を抑え、声を絞り出した。


「……違います……あなたのせいではない。これが、俺が選んだ俺の運命。俺の生きている証まで、忠誠として貴女には差し上げられません」


紅鈴は静かに視線を返す。


「そうですか、構いませぬ。そなたの人生は、そなたのもの。そなたがどう生きようが、妾はそなたの手を借りる。その時まで、どうか付き合ってたも」


だからこそ、人一倍、表に出さないのだ。


自分の罪をわかっている姫は。


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