【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「御意」
炎樹は、礼をとった。
姫として、俺を扱ってくれた彼女に、心から、尊敬の意を込めて。
「ありがとうの……」
淡かった姫は、一言呟くと、目を閉じる。
「あなたに伝えてほしいと、手紙以外に桜華から、言付かりました。
―――あなたのことが本当に好きでした。
守ってくれて、ありがとう。
どうか幸せになってね。
あなたが幸せで在ることを心から願います。
巫女としてでも、側にいられて幸せだった。
愛しています。さようなら。
……貴方がいてくれたお陰で幸せだったと、言っていましたよ」
告げられた言葉。
それに隠される意味。
愛しい人が動かなくなって、気づく。
骸となって――……
自分の気持ちに気づいてしまう。