【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「だから、幸せになってほしいの。相手が誰であっても……沙耶が心を開かなくても、相手がいれば、いてくれれば、沙耶は生きていてくれる気がするから」
まるで、生きられないとでもいうような口調だった。
「…………ごめん、変な話しちゃったね。行こっか」
柚香は再び、涙を誤魔化すように前を向いた。
見られないように、気付かれないように。
沙耶の薬を取りに行く。
そんな女を放っておけずに、
「大丈夫だよ」
頭を撫でてやれば。
驚いたような柚香の笑顔に、目元に、滴が輝いた。