【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1


「私、倒れた日になんか、言ったんかな……」


その日の記憶が曖昧と言う沙耶は、頭を掻く。


「でも、覚えてないんでしょう?なら、思い出そうとしても無理じゃん」


「そうなのよ。だから、困ってる。だって、忙しいんでしょう?あいつ」


両親がなく、姉と二人で御園という家を動かしている相馬は、確かに忙しい。


だからこそ、不思議だ。


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