【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「…私なんか、じゃないよ。ここは、ありがとうだけでいいの」
私の言葉に目を見開いた、真姫。
そんな真姫の頬を両手で包み込む。
「なんか、放っとけないね」
小動物みたいな真姫は、ますます驚いて。
「…ぇっ、と…」
微かにだが、声を漏らす。
天使ボイスというのだろうか。
女の子独特の声が、沙耶の鼓膜を刺激した。
「沙耶」
「ぇ…?」
彼女に見えるように、口を動かす。
「沙耶、でいいよ。私も、真姫って呼ぶから」
「っ、は、ぃ…」
掠れたような声だが、聞こえた返事は嬉しそうで。
「私、浮いててさ。あんまり、友達がいないんだけど…だからこそ、真姫と友達になれて嬉しい。これから、よろしくね?」