【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「……話せないだろ?」
「ん……」
寝返りを打つ沙耶ちゃんは、甘えるように相馬にすり寄る。
そんな沙耶ちゃんを見て、笑い。
「もう、分かってる」
前世のせいでも、なんでもないのか。
彼は、気づいているのか。
「俺は、沙耶に幸せになってほしい。沙耶には、笑い続けていてほしい。重いものを抱えているのなら、一緒に背負ってあげたい。……そう思うのは、夕蘭の最期を知っているからだろうか?直樹さんは、どう思います?」
……何も、言えなかった。
パッと、言葉が出てこなかった。
「……お前がしたいようにすれば、いいよ」
それを、大人が補佐をする。
相馬はフッと、笑みを漏らして。
「直樹さんらしい」
と、言った。
相馬の手は、相変わらず、沙耶の頭を撫で続けていた。