【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1

忘れていたかった、忘れていて欲しかった、罪深き記憶

□沙耶side■



「いやぁ、堪忍な」


……えっと、何でこんなことになっているのでしょうか?


誰かに、沙耶は説明を求めていた。


「突然寝るなんて、相変わらずか。京子」


「そうなんよ。沙耶に会えた喜びで、寝てしもうてな。迷惑かけて、ほんにすまんかった。堪忍!」


「……気にすんなよ、沙耶。あ、俺のことは、好きに呼んでくれて良いから」


「あ、うちもや!好きに呼んでくれな」


……何で、私は正座しているんでしょう。


何で、私はここにいるのでしょうか?


「気を楽にしな。別に、襲ったりはしねぇから」


足を立て、煙草を吸う彼は魅惑的に笑う。


「焔棠雪。薫の祖父だ。よろしくな」


(はい!……次元が違う人がきましたね!)


「御園京子。相馬達の姉や。よろしゅう」


(こっちも、異常な美しさだし!)


本気で、焔棠、御園、姫宮の顔面偏差値について、話し合いたくなってきた。


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