【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「桜なら…お父様が責任もって、見ているわ。だから、大丈夫」
「チッ、そういう問題じゃねーんだよ」
家のことで芽生える確執。
焔棠、御園、姫宮。
我ら三家は数十年前から、人あらざるものと戦っている。
その確執は前世まで遡るのだが、その戦いの犠牲者は、まず、薫の両親。
雪さんの最愛の妻の千夏さん。
そして、桜の父親と桜自身。
桜の母親は、桜を預けたきり、行方不明となっている。
私たちの知る事の始まりは、桜の母親、美桜さんが桜を産んだことだった。
やんちゃで、先生たちが手を焼いていた彼女はある日、教師だった、桜の父親、京さんと出会う。
いけない恋だと分かっていた。
これは、禁忌だと。
それでも止められず、愛し合った二人。