【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
友達以上恋人未満
□相馬side■
まさか、気付いているなんて。
そんなこと、気がつかなかった。
『鳴海、秀征』
沙耶がそう言った瞬間、忘れさせなければと思った。
弱い、弱い、光の持ち主。
「……甲斐、今日は沙耶は俺んちに泊める。沙耶の家族が今日、何しているのか調べ、場合によれば、説明していてくれ」
「はっ、」
開けられたドア。
ぐったりとした沙耶を抱いたまま、俺は車から降り、部屋に帰る。
独り暮らしのこの部屋には、女は誰も入ったことはなく、入っているのは沙耶ぐらい。
夏翠ですら、入ってこない部屋。
そこに、沙耶はいる。
……意識はないけれど。
自分のベットに沙耶を寝かせると、沙耶は涙を流した。
頬を伝ったそれを、拭っても。
「ん……」
また、溢れ出す。
まさか、気付いているなんて。
そんなこと、気がつかなかった。
『鳴海、秀征』
沙耶がそう言った瞬間、忘れさせなければと思った。
弱い、弱い、光の持ち主。
「……甲斐、今日は沙耶は俺んちに泊める。沙耶の家族が今日、何しているのか調べ、場合によれば、説明していてくれ」
「はっ、」
開けられたドア。
ぐったりとした沙耶を抱いたまま、俺は車から降り、部屋に帰る。
独り暮らしのこの部屋には、女は誰も入ったことはなく、入っているのは沙耶ぐらい。
夏翠ですら、入ってこない部屋。
そこに、沙耶はいる。
……意識はないけれど。
自分のベットに沙耶を寝かせると、沙耶は涙を流した。
頬を伝ったそれを、拭っても。
「ん……」
また、溢れ出す。